ライジング・サン

夏に北京オリンピックを開催する中国に対し、数々の抗議行動が報道されるようになり、聖火リレーまでもがその標的となっている。
事の発端は、チベット自治区のラサで起きた独立運動のデモを、中国政府が武力鎮圧しようとしたために暴徒化し、その際に多数の死傷者を出したことによる。フランスやイギリスなど、東アジア圏ではない人々が体を張って抗議しているのに、なぜ日本は非難しないのだろう?
先般の餃子事件(未だ責任の所在は明らかになっていない)でもそうだが、中国には多くの人的・物的資源を依存している他、六カ国協議でも実際の主導権を握っている議長国でもある。しかし六カ国とは名ばかりで、実際はアメリカ、ロシア、中国といった核保有国3強のアジアでの影響力の行使に過ぎない。
どうも日本人は回りの顔色を気にし過ぎる。責任を他者へ転嫁できない"言い出しっぺ"が嫌なのだ。
砲丸職人の辻谷氏や登山家の野口健氏も声を上げているが、国として遺憾の意を表明することくらいできように...国際的に非難の的となっている今こそがタイミングなのではないだろうか。
とは言え、刻一刻と迫る五輪本番。4/6日には日本のお家芸、柔道の階級別代表が一部発表された。
週末に福岡で行われた全日本選抜。初日に五輪3大会連続金の60kg級の野村忠宏が準決勝で敗れる波乱で代表入りを逃した。ミキハウスの木村社長からは4大会連続金メダルなら1億円のボーナスと言われていたが、メダルはおろかスタートラインにすら立てなくなってしまった。
2日目に入っても、五輪2大会連続金メダル('92バルセロナ、'96アトランタは銀)の柔ちゃんこと、48kg級の谷亮子までもが決勝で山岸に敗れるなど波乱は止まらない。昨年ブラジルの世界選手権金メダルなど実績上位で代表入りしたものの、ベテランと新鋭の差は今や紙一重だ。
そして最も注目を集めたのが100kg超級の井上康生。2月のドイツ国際を制し、昨年の世界選手権無差別級金メダリストにして日本人男子唯一のメダリスト棟田を降すと、勢いに乗ってそのまま優勝。見事復活を果たす嬉しい波乱だった。
だが100kg超級の代表は、今月末29日の全日本選手権まで持ち越される。3月のカザフスタン国際を勝ち今大会を怪我のためスキップした新鋭の石井、悲願の五輪初出場を狙う棟田、'00シドニー金メダリスト井上の三つ巴の争いとなり、こちらも見逃せない。
P.S
ニュース映像を見ていて思ったのだが、女子48kg級決勝での谷の右手が受身の際におかしい曲がり方に見えたのだが・・・大丈夫だったようだ。

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