残酷な五輪のテーゼ

今月9日に開幕した北京オリンピックも前半戦が終了。日本勢は開幕からこれまでメダルが途切れていない。
初日、"ママでも金"の谷がまさかの銅メダルで一時は出だし乗り遅れたものの、2日目には内柴が柔道66kg級で2連覇。3日目には偉大なスイマーの仲間入りを果たした北島が100m平泳ぎで2連覇。4日目には谷本が柔道63kg級で2連覇、5日目には上野が柔道70kg級で2連覇&太田のフェンシング個人フルーレで協会悲願の銀メダル獲得で勢いは続く。
6日目は北島が200m平泳ぎで2階級制覇&初出場の内村が体操個人で銀。7日目はこちらも初出場の石井が100kg超級で金。8日目は女子レスリングで吉田が2連覇。9日目には"姉妹で金"は逃したものの伊調馨が2連覇で8日連続金メダルである。
今や柔道に代わり、新しい「日本のお家芸」となりつつある女子レスリングに至っては、前回アテネ五輪と全く同じ顔ぶれで同じ結果というのも凄いが、これまでの金メダリストは初出場の石井慧以外は全て2連覇と磐石だった。
勝てば英雄、負ければ戦犯。五輪の舞台はいつも残酷である。
金メダルが至上命題と言われるお家芸柔道では不振が目立った。前回アテネ大会では8階級で金メダルを獲得したものの、今回は半減の4。惜しくも連覇を逃した谷(48kg級)、塚田(78kg超級)も最低限の仕事をした一方、日本選手団の主将も努めている100kg級の鈴木は無冠に終わり、なかでも3連覇中の野村を押しのけて出場した60kg級の平岡と、連覇を狙った野口の辞退もあり、日本の期待を一身に受けていた昨日の女子マラソンでリタイアした土佐へのバッシングは凄いものがあった。
事実、参加年齢制限のあるサッカー等を除き、ほとんどの競技では未だ世代交代が進んでいない。連覇した選手の多くが口にするMotivation、Tension、Conditionこれら全てを4年間持続させることは極めて難しく、第一線からの引退を示唆する選手達の理由もそれである。バーンアウト(燃え尽き)症候群などと言われるが、自分を超えんとする存在(=ライバル)が国内にいないのもその理由とも言えよう。各連盟主催の国際大会を除き、2年に一度行われる世界選手権でのみ国外の強豪と顔を対戦することになるが、来年のドイツ大会では多くの顔ぶれが代わっている可能性が高い。
後半戦メダルの期待がかかる競技としては、女子サッカー、ソフトボール、シンクロナイズドスイミング、野球などが挙げられるが、野球はオリンピックの種目として行われるのは北京で最後となる。特に長嶋ジャパンでも獲れなかった金メダル、第1回WBC優勝で男をあげた王監督。星野監督にとってここは是が非でも欲しいタイトルだ。しかし、先日の韓国戦のような試合をしていたら黄信号・・・
全てプロの選手で臨んだにも関わらずメダルを逃すようなことになれば、非難はそれこそ柔道の非ではない。1984年のロス五輪以来四半世紀ぶりの金メダルか、'00年シドニー五輪以来の無冠か。星野ナインが日本の球史に名を残せるかどうかが最大の焦点だ。

コメント

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