真冬の果実

東国原知事が誕生した。以前、本稿で当選は困難ではないかと書いたが、宮崎県民は政界、官界とのしがらみを一度断ち切りたかったのだろう。幸い元芸能人ということもあり、一般的な知名度はそこそこあるのでこれからの行政手腕に期待したい。この勢いが4月の統一地方選、そして参院選へと繋がって行けばよいのだが...
毎日新しいニュースがあるが、特にTBSが力を入れて取り上げているのが夕張市の再建問題。
「メロン」と言えば"夕張"だった高級果物のイメージは今やどこかへ吹っ飛んでいる。財政破綻と報道された時にはどこの地方かと思っていたが、実は夕張が属する空知支庁は、石狩支庁に属する札幌市とは隣同士になる。かつて石炭の一大集積地として名を馳せた頃はよかったが、日本が高度成長していく過程でエネルギーの主役が石油に取って代わられてからは、衰退する一方となっていた。
市政を6期24年もの間牛耳った中田前市長は、「炭鉱から観光へ」の名の下に次々とテーマパークを建設。しかし'01年の産炭地域振興臨時措置法の失効が、結果的に自転車操業に拍車をかけることとなり、昨年の夏、ついに自治体としては'92年の福岡県赤池町以来の財政再建団体を宣言するはめとなってしまった。
実はこの2地域には共通点があり、それは赤池町(現福智町)もかつて炭鉱の町だったということだ。夕張は再建に向けた徹底した削減策の反動でか、市職員の約半数が退職と聞く。中でも部長級、次長級といった言わば市長の意思決定機関がごっそりといなくなり、更なる多機能不全に陥りかねない状況である。
それを受けてか昨年秋には、静岡県熱海市の斉藤市長も財政危機宣言を発したが、全国有数の温泉地として有名であるがゆえに、客離れを危惧したコメントも多く見られたものの今では沈静化しているようにみえる。
ただ筆者は斉藤市長を支持したい。人にメタボリック症候群があるように自治体も診断が必要だろう。職員は旭川動物園の園長に教えを請うべきだ。

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