トリノ・トリニティ

日本中に感動をくれたスキップ小野寺の涙。この続きは彼女達を題材にした映画「シムソンズ」でご覧いただくこととして・・・
女子フィギュアはまさに最後の砦。
そしてその状態にあって彼女達はやってくれた。ショートプログラム(SP)を終えた時点で、早稲田の後輩・先輩である荒川3位、村主4位、そして18歳の安藤が8位につけたが、前者の2人は2度目の五輪ということもあってか、終始リラックスした演技でまとめ、共に最終グループのメダル圏内。後半のフリープログラム(FP)に期待がかかる。
本人達については、もう様々な媒体でも言われているのでここでは触れないが、今大会から採点法が代わり、TES(Technical Elements Score)と、PCS(Program Components Score)の合計で競う。SPでは2分50秒以内の演技に組み入れる8要素、FPでは4分±10秒以内で13要素(男子は4分30秒以内で14要素)の得点の合計によって決まるが、これまでは芸術点、技術点のそれぞれ6.0満点を、それまでの競技者との比較によって順位点として付けられていたため、相対的に後に滑る方が印象という点においても有利となっていた。
新採点法では、各要素に基準点が決められており、出来具合によって演技点で増減する。要素の難易度が高くなれば基準点も高くなるが、演技点の幅も大きく失敗した場合の減点も多い。そのため一般に言われているように、大技でミスするよりも中技でもミスなく滑る方が得点が高くなる場合もあるが、従来のように競技順に左右されず、公平で絶対的な評価が可能となった。しかし要素の基準点が予め分かってしまうため、組み入れる要素が似通ってしまう弊害もある。
そこで重要なウェイトを占めるのが振り付けである。
荒川は昨シーズンまでロシアのタチアナ・タラソワコーチに師事していたが、今年に入り急遽ニコライ・モロゾフコーチに変更。村主は佐藤信夫、安藤はキャロル・ジェンキンスコーチにそれぞれ師事している。(ちなみに恩田、中野、浅田姉妹は山田満知子コーチ)
スノーボードハーフパイプの競技中にDJのプレイがかかるのと同様に、フィギュアもVoレスの曲で上記の時間内に編集すれば自由に選曲が可能だが、荒川のSP「幻想即興曲」やFPの「Turandot」、男子フィギュアで8位になった高橋大輔のSP「Moulin Rouge」、FPの「ピアノ協奏曲第2番(ラフマニノフ)」は現在SPでトップのサーシャ・コーエン(米)でも有名なニコライ・モロゾフ、他の日本人選手のプログラムもローリー・ニコル(村主)やデイヴィッド・ウィルソン(安藤)ら著名な振付師によるものだ。
浅田真央の登場でいまや市民権を得たフィギュアスケート。'76年のインスブルック(オーストリア)大会以来のメダル0をストップできるか!?4分間で全てが決まる。

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