ミシュラン狂騒曲

11月22日に発売された「ミシュランガイド」東京版。読者のみなさんはお求めになっただろうか。
実のところ九州在住の筆者にはほとんど用はない。ある程度接待(交際費)が認められていた以前ならいざしらず、ほとんどが割り勘となっては、出張で都内に行ってもいかに支出を浮かすかというところに苦心するほどだからだ。
気になる三ツ星の数は一都市としてはParisの10に次ぐ8つで、数字だけを見れば先に改版されたアメリカ4都市(New York3、San Francisco1、Los Angeles0、Las Vegas1)と比べてもいかに多いかがわかるだろう。
ちなみにフランス全土でも三ツ星レストランは26しかなく、東京版掲載の全150店に星がついたのも異常と言われている。というわけで筆者には今のところほとんど縁のない三ツ星だが、これまで説明したのは俗に言う赤ミシュラン。今回はもう1つの緑ミシュランについて触れてみたい。
実はこれ、今年の4月に発売されたヨーロッパからの観光客向けの旅行ガイドである。
正確には「MICHELIN Voyager Pratique Japon」といい、日本全土が対象なのだが、発売された春頃には一部の旅行好きな人々を除き話題にならなかった。もちろん、レストラン版と同じく選ばれた自治体にとっては観光客の誘致に直結するため、重要なウェイトを占めているのは間違いないが、こちらはレストランとは違って一朝一夕で解決できる問題でもない。
残念ながら熊本のシンボルでもある熊本城・阿蘇山は選外。おそらく地域の特殊性か空港からのアクセスが悪く、おまけに車がないと行けない場所が多いせいもあるだろう。驚くべきは三ツ星9地域(施設は51)のうち、富士山と並ぶ評価を受けた東京の高尾山で、さすがはおフランス。エスプリが効いているなと思わせるチョイスである。
高尾山は出張で本社工場に行った帰りに足を延ばせれば行けない場所でもなく、富士山を踏破するのよりも遥かに楽。筆者も機会があればぜひ行ってみたい。

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