酸欠の鳩

ここ数日の間にまた様々な事象が起こったが、トップの対応で大きく明暗を分けた。
まずはパロマの給湯器事故問題。発端は被害者遺族の再捜査の要望だったこの問題は、死者20名を超える社会問題となっている。
そもそも、当初パロマ社側は、安全装置の不正改造が原因で機器そのものには原因はないと説明していた。しかし、死者とパロマ工業社製のガス湯沸かし器を使用していた家屋との因果関係が明らかになるにつれ、死因が同製品による一酸化炭素中毒によるものと断定された。
結果、80年代以降に製造された7機種に同様の可能性があるということで、直接の原因は製品そのものの欠陥ではなく、安全装置の不正改造ということだが、今になって一部の製品では、寒冷地での利用で基盤の接点が半田割れを起こしたことによる接触不良が原因というケースも出てきている。
室内の空気を燃焼させてお湯を沸かすこの装置、本来であれば排気ファンが燃焼時に生じる一酸化炭素(CO)を、室外に排出する仕組みとなっているが、全く同様のケースが以前、松下電器の製品(石油暖房機)で起きている。だがその際は、同社の徹底した対応について非難は上がらなかった。
事故から約5日後、トップは引責辞任を表明したが、当時の小林敏宏社長は90年代前半には不具合を認識していたとの向きもあり、事故を知りながら放置した責任は重い。社名のPalomaとはスペイン語で"鳩"を意味する。世界では平和の象徴である鳩だが、経営陣は松下の事故を他山の石とできなかったのだろうか・・・
うって変わってあまりにも潔い決断をしたのが欽ちゃんこと萩本欽一氏。
団員でもあるお笑いコンビ「極楽とんぼ」の山本圭一が、未成年に対する暴行容疑で札幌署に事情聴取を受けたのをうけ、同義的責任から翌日には自ら率いる球団「茨城ゴールデンゴールズ」の解散を決めた。
ところがあまりの決断に周りがついて行けない。電話で出演した朝の生番組ではみのもんたに再考を促され、また地元でも7000名余りの署名を集めて解散撤回の嘆願。それらの声に押されるように7/23日には被疑者山本を除名とした上で球団の存続を決めた。
まさにこれこそ、トップの好例であろう。同時期に起きたパロマと欽ちゃん、そして時期は若干違うがいわば同業種のパロマと松下。どちらが見本かは推して知るべしだ。CSR(企業の社会的責任)を標榜する以上、事情はどうであれまず謝罪。我々サラリーマンにも言えることだが、これ大事ですよ~

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