イチローの凄さ

韓国の黄教授が発表した論文の捏造が話題になっている。
国家的プロジェクトにまで発展した同論文について、先日、教授自身が捏造だったことを明かした。その胚性幹(ES)細胞は生殖医療技術の根幹に関わる発見と噂され、一時はノーベル賞受賞とまで言われていたが、逆に国際社会において大いに恥をかくはめになった。これまで話題となったクローン羊のドリーをはじめ、今では世界各国で行われているこれらの研究は、遡ればそもそもの発端は不老不死からスタートしたと言っていい。今でも"アンチエイジング"などという言葉もあるほどだが、遥か古代から永遠のテーマだった不老不死。それが不可能なことだと分かったとき、人類は発想を転換した。
それは自分のコピーを作ること。それがクローンである。
まるでSF映画の世界だが、事実それが行われているのだ。また、日本では倫理上認められていない小児への臓器提供や、代理母なども他の一部先進国では条件付きに認められている。もちろんノーリスクではない。先日アメリカでは一つ目で鼻がない猫、サイが生まれたりもしたが、実際に生きていたのはわずか3日程度で、重度の障害を持った猫の症例として話題になっただけだった。生活環境だけでもこのようなケースがあると仮定すれば、まして遺伝子操作においては何をかいわんやである。筆者としても医学の発展は望むところではあるが、諸刃の剣であることも忘れてはならない...
話変わって、野球のWBC。4月のレギュラーシーズン前の3月に行われる野球の国別対抗戦。アマ最強と言われるキューバの参加が微妙な状況ではあるものの、参加すれば実質的な世界一決定戦である。ヤンキースの松井、Wソックスの井口が直前になって相次いで辞退したが、マリナーズのイチローだけは違った。彼が出場する理由は「世界一を決める試合に出る名誉」ただそれだけのシンプルな理由である。前者の2人は今シーズンへの影響を考慮し、チームでのキャンプ合流を選んだ。それを我々が非難することはできない。が、既に日本で始動しているイチローと比べると器のが小さいと言われても致し方ない。
幸いなことに第1回の今年は日本で予選を戦えるため有利。決勝はアメリカのため我々が生で見ることはできないが、サッカーのトヨタカップのように定着すれば、野球人気の再燃の起爆剤になるはず。前回五輪の雪辱を果たす絶好の舞台に、世界の王に率いられたベストメンバーで望んで欲しかったが...何とも残念である。

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