カトリーナ・クラス

刻々と台風14号(ナービー)が近づいている。一説によると、先日アメリカのメキシコ湾沿岸を襲ったカトリーナ級とも言われている。
そのカトリーナ、南部のミシシッピ州、ルイジアナ州に甚大な被害をもたらした。そしてJAZZの都ニュー・オーリンズはまさに水没の危機に瀕している。世界でも3本の指に入る全長3800kmに及ぶ大河、ミシシッピ川がメキシコ湾に流れ込む沿岸にある同都市は、ミシシッピ・デルタと呼ばれる海抜0m以下の地帯だ。つまりミシシッピ川とポンチャトレイン湖の水面の方が、都市部よりも高いということを意味する。今回のハリケーンで堤防が決壊し、水が流域に流れ込む事態となったのだが、既に数百人規模の犠牲者が出ており、被災者に至っては数万人規模と言われている。
更に悪いことに、ルイジアナ州のフレンチクォーターなど一部の黒人居住区では、州政府の対応に業を煮やした住民達が暴徒化し、街が無法地帯の様相を呈してきているらしいとの情報もある。武装した警察が鎮圧に当たっているとのことだが、このまま対応が後手に回れば、黒人の多い南部州で大規模な暴動が起こる懸念すらある。加えて同州沿岸にはアメリカ有数の南部油田地帯があるが、それらと都市部を繋ぐパイプラインが破損し影響が出ている。既に1バレル=70ドル前後にまで高騰していたのだが、ハリケーンの襲来はそれに輪をかける結果となってしまった。国内でも原油の卸価格引き上げに伴い、各種料金も徐々に値上げされている状況で、ほとんどを輸入に頼る日本には大きな打撃だ。
アジアではハリケーンではなくタイフーン(Typhoon)の呼称が一般的だが、今回の14号もカトリーナの「カテゴリー4」級に近いと言われている。今はただ無事に通過してくれることを願うばかりだ...
最後に、再来年のNHK大河ドラマが、井上靖の「風林火山」となることがついさっき発表された。歴史小説家ではない同氏の小説が、どのように脚本化されるのか今から楽しみである。

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