前回、夏の甲子園について少し触れたのだが、優勝旗が津軽海峡を渡ったその翌日に、駒大苫小牧の野球部内で暴力事件が起こっていたというニュースが報道された。
思い起こせば大会直前、高知県代表の明徳義塾高校で、部員間の暴力・喫煙が匿名の投書により明るみになった時、高野連が処分を決定する前に、同校は出場を辞退し、その結果、決勝で敗れた高知高校が出場することとなった(結果は初戦敗退)。事件の隠蔽を指示したとされる馬淵監督は辞任し、一応の決着はついたかに見えた。それだけでも社会的な非難は免れなかったのだが、今度は優勝校で、しかも今度は学校側が積極的に隠蔽に加担したというから始末が悪い。教頭が野球部長らに圧力をかけ、実際の程度よりも軽く証言するように偽装工作したらしい(要は口裏合わせ)。
筆者も高校時代サッカー部に所属していた。体罰や暴力等は特になかったと思うが、それに近いシゴキなどは多少なりともあったように記憶している。ただこれは程度問題であって、筆者は必要悪だと考えている。
野球部に限らず体育会系の部活動での上下関係は存在する。しかもそれが全国大会の常連校ともなれば部員が100人を超える大所帯となり、監督や顧問だけの力では実態を把握できなくなるのも事実だ。
しかし、どういう事情があるにしろ社会人である野球部長が、生徒に対して手を出すということは体罰を通り越した職権乱用もいいところである。明徳義塾の一件が話題になったときに同校の香田監督も報告を受けたとのことだが、結局は黙認しそのまま大会を戦い抜いた。
被害を受けた選手達はおそらくベンチ入りしていた20人とは別に、アルプススタンドで観戦していたに違いない。彼らの目に今回の偉業はどう映っていたのだろうか...
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