歴史は繰り返す

いよいよワールドカップも佳境に入り、残すところあと2試合となった。
ホスト国として、まさに挙国一致体制のドイツと、1部リーグセリエAの不正疑惑の渦中のイタリアの一戦は、延長後半終了直前の14分、DFグロッソの一撃で激戦に終止符が打たれた(試合は2-0)。準決勝の戦前から、アズーリの主力を形成するメンバーの国内所属チームは前述の事件で大揺れだった。
2季('04-'05、'05-'06シーズン)連続優勝のユヴェントスは、優勝の剥奪とセリエC1降格、同2位のACミラン、4位のフィオレンティーナ、6位のラツィオのセリエB降格を求める検察側に対し、クラブ弁護側の弁論を待つ状況下。しかしイタリア伝統のCATENACCIOは健在だった。今大会許したゴールは、アメリカ戦で喫したザッカルドのオウンゴールのみで実質無失点だ。
後半ロスタイム、ドイツにとどめを刺したゴールを挙げ決勝に導いたのは、他ならぬユヴェントス所属のA・デル=ピエロというのも何かの因縁か。
そしてもう1試合のフランス対ポルトガル。
かつて、FCバルセロナから当時('00年)の世界最高となる移籍金(約6000万ユーロ)で、永遠のライバルであるレアル・マドリーへの移籍という禁忌(タブー)を冒したフィーゴ。そして続くように翌年ユヴェントスからフィーゴの記録を塗り替える約7300万ユーロでレアルへ移籍したジダン。
共に欧州最優秀選手(バロンドール)、FIFA年間最優秀選手を受賞した二人が率いるチームの対決は、後半37分にDFカルバーリョがイエローカードをもらうまでフェアな戦いに終始し、結果、フランスが前半33分に得たPKをジダンがゴール左隅に突き刺した1点を守りきり、'98年優勝以来、グループリーグで敗退した失意の'02年を経て、8年ぶりに決勝の場に帰ってきた。
イタリアはR・バッジョを擁して臨んだ'94年のアメリカ大会以来12年ぶり、両国の決勝での顔合わせはEURO2000以来6年ぶりとなるが、その時はフランスが2-1でイタリアを降している。
ジダンがロナウドに次ぐ史上2人目の3冠タイトルホルダー(欧州最優秀選手、FIFA年間最優秀選手、W杯最優秀選手)となりうるのか、それとも現在453分間無失点のGKジャン=ルイジ・ブッフォンか!?明後日全てが決まる...

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