Rule of Engagement

WBCとはWorldBaseballClassicの略で、野球にもサッカーのWorldCupに変わる大会をとの主旨の元開催された、6大陸16カ国の代表からなる国別対抗戦だ。
S・マリナーズで活躍するメジャーリーガーでもあるイチローが、1次リーグA組の試合前にこのようなコメントを口にして物議を醸した。「むこう30年は日本に手が出せないと思わせるような勝ち方をしたい。・・・」と。
当然ながらアジア4カ国の中では日本と韓国のレベルは抜きん出ている。実際、最終戦の直接対決までに中国を18-2、台北を14-3のコールドゲームで降し、3月5日の韓国との試合に臨んだ日本だったが、2-1と1点リードして迎えた8回、4番手の石井が、今シーズン巨人に移籍した元千葉L・マリーンズのイ・スンヨプに逆転2ランを浴びまさかの敗戦。韓国代表は、大会の結果如何によっては徴兵制を免除されるというニンジン作戦もあってか日本戦のモチベーションは高かったのかもしれないが・・・
先のイチロー発言がこんなところで効いてきたのかは分からないが、普段は滅多にそういった言動をしない彼がそういう言い方をするのは珍しい。しかし、松井、井口、城島らが出場を辞退する中、敢然と真っ先に出場を明言したのも彼だった。今や日本を代表するバッターであるイチローなればこそ朝鮮日報などのメディアは挑発と受け止める向きも多く、大きく取り上げられた。韓国との直接対決に敗れた日本は、1次リーグ2位に甘んじたが、無事2次リーグ進出を果たす。
そしてB組を勝ち上がったメキシコ、アメリカとの第2ラウンド初戦の3月13日。予期しない事件が待っていた。
今日のスポーツ紙一面を賑わせた世紀の誤審事件である。3-3の同点で迎えた8回表。岩村の左翼フライでタッチアップした西岡が一旦は勝ち越しのホームを踏んだものの、アメリカ側の抗議で球審のDavidsonが判定を翻しアウト。これで流れが変わったのか、9回裏に藤川がA・ロドリゲスにサヨナラヒットを打たれ手痛い1敗を喫した。アメリカのダッグアウトを睨み付けたイチローの姿が印象的だった。
普通MLBでは審判の判定は絶対であり、覆ることはありえない。通常HomeDecisionAdvantageを避けるため、審判員は第三国の人間で構成するのが普通だが、第1回の今回は各国でルールの解釈が異なるという理由から、野球の発祥地でもあるMLBの審判団が裁くことになっていた。そこまではいい。しかし実際に裁いたのはメジャーではなく3Aマイナーリーグの審判という本質...
そのアメリカは今日の韓国戦で7-3と敗れ、韓国は決勝トーナメント進出をほぼ確定的にした。日本は残りのメキシコ、韓国戦に勝たなければリベンジは果たせない。友好どころか遺恨を残しそうな第1回大会。まさに
「絶対に負けられない戦いがそこにはある」

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