負のスパイラル

株安に歯止めがかからない。ついに日経平均株価は1万円を割り込み8000円台に突入、8日には過去3番目の下落率9.38%を記録した。
円も100円を割るまでとなり、このまま円高が続けば輸出企業の多くは為替差損が膨らむ上に、自動車最大手のトヨタが今年度の業績を下方修正したため、多くの企業がこれに続くと予想される。
となるとまた株価が下がる。株価が下がれば担保価値が下がり信用収縮が起こる。自己資本比率が低く自転車操業に近い企業の場合は、リファイナンスもままならず借入金の返済が滞りここで不渡りを出してしまう。まして今日発表の大和生命の場合は、ソルベンシーマージン比率で最低ランクにも関わらず、運転資金で株を運用していたというだから呆れるばかりである。
アメリカでもFRBはAIGに対し850億ドル(約8兆5000億円)の緊急融資を行ったものの、結局さらに追加枠で378億ドル(約3兆8000億円)の融資を行うとのこと。今回の融資は主にキャッシュフローの増強のためと聞くが、事態は一向に沈静化せずAIGの株価も下落の一途を辿っている。手に入れた傘下の日本国内生保3社(Alico、AIGスター、AIGエジソン)は売却せざるを得ない状況にあり、G7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)の動向如何によっては、更に下落が加速する可能性もある。
そうかと思えば、リーマンの突然の退場で混沌と化したウォール街は、今や日本企業の格好の標的となっている。アメリカ証券1位のGoldman SachsにはSMBCグループが、2位のMorgan Stanleyには三菱UFJグループがそれぞれ食い込み、念願の世界進出を虎視眈々と窺っている。
結局、しわ寄せはいずれ庶民に返ってくる。特に不動産・建設業界の倒産の場合、下請け、孫請けなどが連鎖的に倒産する可能性があり、関係者には影響が顕著に現れるだろう。週明けの倒産情報に新たな企業が名を連ねそうな雰囲気だが...
そんな中で明るい話題と言えば先日発表された今年のノーベル賞受賞者。
筆者には全くわからない分野なのでコメントは止めておくが、物理学賞の南部氏、小林氏、益川氏の3名と、化学賞の下村氏の4名である。'02年の小柴氏(物理学賞)、田中氏(化学賞)以来6年ぶりの受賞となるが、日本もまだまだ捨てたものではないようだ。

コメント

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    もうご存知かもしれませんが、ついに当社も不正経理発覚で管理指定銘柄に。
    上場廃止の危機に瀕しています。
    私も責任とらされてリストラされるかも。うーんどうしましょ。(泣)

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