ミスター27

昨日、フジTVの中継でヤクルトの古田敦也監督の引退セレモニーを見ていた。
立命館-トヨタ自動車-ヤクルトと進み、ヤクルト一筋で18年間の集大成がここにあった。中でも野村楽天監督との師弟コンビではリーグ優勝4回('92、'93、'95、'97)、日本一3回('92を除く)とヤクルトの黄金時代を築いた。
'04年には選手会会長として、ストライキを敢行し、翌年の楽天の新規参入の糸口をつけるなど、球界再編の立役者となる。かつて師と仰ぐ野村克也は長嶋茂雄(巨人軍終身名誉監督)と比較して、自らを"月見草"と表現していたが、捕手というポジションにありながら、これほど多くの脚光を浴びたのも彼が初めてはないだろうか。
昨年から選手兼監督としてヤクルトを率い、昨年は今季優勝のジャイアンツを抑えてAクラス(3位)入りしたが、今年は残念ながら現在最下位。残る横浜ベイスターズとの試合に2連勝すれば、広島を抜いて5位に浮上する。
のび太くんのあだ名の通り、誰からも好かれるそのキャラクターで、おそらく解説者として今後も引く手あまたであろう。「また会いましょう」の言葉通り、お茶の間で見かける日もそう遠くはないと思う。
古田よりもっと身近な人物がいる。西武ライオンズの伊東勤氏は筆者の先輩である(具体的には明かさないが)。西武一筋22年間で、そのうちリーグ優勝14回('82、'83、'85~'88、'90~'94、'97、'98、2002)、日本一8回('82、'83、'86~'88、'90~'92)と選手としてのキャリアは前述の古田を遥かに凌ぐ。
古田とは違って、それほどマスコミ受けする方ではないが、彼なくしては西武の黄金期はなかったと言っても過言ではない。しかし秋山(SBホークス)、工藤(横浜ベイスターズ)、清原(オリックスB)、松井(C・ロッキーズ)、松坂ら盟友が相次いで去る中では、常勝軍団の戦力は年々弱体化していった感は否めない。
2004年はリーグ2位からのプレーオフ逆転優勝。昨年こそ惜しくも2位だったが、今年は裏金問題による世間の逆風、さらにはB・レッドソックスに移籍したエース松坂の穴が埋まらなかったせいもあってか、'81年以来26年ぶりのBクラス(5位)転落した。
2人ともキャッチャーで、偶然のいたずらか背番号はともに"27"。セとパを代表した名捕手が潔くグラウンドを去った。そしていよいよクライマックスシリーズが開幕する-

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