歴史は繰り返す

オシムと安倍。
前者は4カ国共催アジアカップで3連覇どころか、2011年のシード権すら失う結果の4位。後者は29日に投開票が行われた第21回参議院選挙で改選前の議席(64)を大幅に減らす惨敗。
両者に共通するのは辞任の意向を示していないということ。もちろん、後任がいないということも理由のひとつだろうが・・・
W杯で苦杯を舐めたオーストラリアにリベンジしたのもつかの間、迎えた準決勝のサウジアラビア戦。日本と並びこれまでアジアカップ最多の3勝を誇る中東の雄に、壮絶な打ち合いの末に2-3で敗退したのは既知の通りだろう。
しかし、日本の国民性としてよくやった!的なところにはなぜか寛大なところがあるのか、帰国したオシムジャパンには問責すらない。筆者はオシムは理論的でもっとまともな人間だと思っていた。前任のジーコは感情的で厚顔無恥なところもあったが結果は残していた(前回アジアカップ優勝)。
それに引き換えオシムは、試合を冷静に分析もせず、責任転嫁とも取れる発言すらしている(準決勝、3位決定戦後)。3位決定戦の日本戦で、ゲーム中に退場処分を受けながらもPK戦の末に勝利しアジアカップ3位を死守した韓国のピム監督、AFC転籍初で、準々決勝でPK戦の末に日本に敗退したオーストラリアのアーノルド監督ですら辞めるのにだ。
遡ること平成9年の第18回参議院選挙。故橋本(龍太郎)内閣は自民党44議席で辞任、さらに9年前の第15回参議院選挙では宇野宗佑内閣が記録した36議席で惨敗で辞任したが、今回の安倍内閣の37議席というのはこれに次ぐ自民党の歴史的惨敗である。
巷では9年(3回)おきのジンクスなどとも言われていたが、まさに"歴史は繰り返す"の通りとなった。自民党のビッグネームの片山虎之助氏、景山俊太郎氏(自殺した松岡元農水相の長男の義父にあたる)に至っては、安倍内閣を擁護していた印象もあってか今回で落選。
佐田元行革担当相、本間税制会長、柳澤厚労相、松岡元農水相、久間元防衛相、赤城元農水相、そしてとどめは年金問題と、ほとんど身内に足を引っ張られた感のある安倍首相には、むしろ被害者で同情を禁じえないほどだが、一刻も早い英断を期待したい。

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