これもリサイクル?

WBCは日本の優勝で幕を閉じた。ここ数年は野球をあまり見ていない筆者ですら2次リーグの対韓国戦、準決勝の韓国戦、決勝のキューバ戦を見たくらいだから間違いない。なんでも関東圏での視聴率は50%を超えるところがあったとか。その余韻も覚めやらぬ昨日開幕したパ・リーグでは、3試合の入場者数の合計が10万人を超えたとかで、さっそくシナジーが現れたということだろう。
大相撲春場所。共に13勝1敗で迎えた千秋楽。まず白鵬がかど番脱出に意地を見せた魁皇に敗れて一歩後退。アシストされた形の朝青龍だったが、先場所優勝の大関栃東との結びの一番。まさかの敗退でこちらも13勝2敗。そして史上初となるモンゴル勢同士の優勝決定戦は、先輩朝青龍に軍配が上がり16度目の優勝。惜しくも優勝を逃した白鵬だが、既に来場所の大関昇進が決定しており、こちらも世代交代の波が押し寄せている。
久しぶりに社会面の話題を。先日、石川県にある北陸電力志賀原子力発電所の2号機の運転差し止めについて、金沢地裁が原告勝訴の判決を下した。今月15日に運転を開始したばかりのこの2号機は、日立製作所が受注した最新鋭の改良型沸騰水型(Advanced Boiling Water Reactor)軽水炉である。にも関わらず差し止めとなった背景には、この地方の地盤に理由がある。
石川県の付け根の部分を走る断層による地震発生時の影響について耐震性に問題があるというのがその理由だ。昨年大きく話題となった耐震偽装問題だが、原子力発電所ともなれば、建築基準は通常の建築物の3倍もの耐久性が求められる。これまでも女川(東北電力)、美浜原発(関西電力)をはじめ、東京電力でのトラブル隠蔽など大小の事故が指摘されてきたが、会社の回答は一貫して「もう事故は起きない」だ。臨界事故がおきてからでは取り返しがつかない。今回のケースではもし放射能が拡散した場合、半径700kmに被爆の可能性があるとの報告もあり、提訴した原告団(17都府県の住民ら)の中には、筆者の地元熊本の方々も名を連ねている。
そうかと思えば、玄海原発(九州電力)では使用済核燃料の再利用(プルサーマル)計画を自治体が了承するなど、地域での温度差は否めないが、今や我が国の3分の1の電力を賄う原子力は、プルトニウム1gで石油2000ℓに相当するといわれている。その力は常に危険と隣り合わせであることを忘れてはならない。

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