FATAL INCIDENTS

いよいよ今年もあと残り僅か。筆者も明日が仕事納めである。
女子フィギュアスケートの代表も決まり(異論は多々あるようだが)、最後の最後にまるで帳尻を合わせるかのようにそれは起きてしまった。
JR羽越線での脱線事故である。
特急いなほは、新潟県の新津~村上を走る在来線である羽越線の区間を通る特急列車で、秋田県~山形県~(羽越線)~新潟県を結んでいるが、事故は山形県の坂田~余目の間を流れる最上川の第2橋梁を渡った直後に起きた。
6両編成の(上り)新潟行き特急「いなほ」14号は、吹雪の中時速約100kmで走行中、折からの強風にあおられて脱線。線路下にある堆肥小屋に突っ込んだ。上りであるため実際の先頭車両は6号車。しかし、皮肉にもそれこそが乗客の運命を分けることになってしまったのかもしれない。鉄骨でできた小屋に直撃したため車体はくの字に折れ曲がり、6両目に乗車されていた方の生存率は低かっただろう。また、禁煙車だったせいか、現在発表されている犠牲者5人のうち3人が女性。しかし、特急券は46,7枚ほど発券されているということで、まだ数人が事故車両の下敷きになっていることも考えられる。
今回の場合は、前回とは異なり、あくまでも天災の影響による可能性が強い。運転手が一命を取り留めたため、事情を聞くことができたようだが、話によると、酒田駅を出発した時点ですでにダイヤからは遅れていたようだが、荒天のため運転手の判断で100kmに減速していたという。通常ならば回りが田園地帯ということもあり、120kmで走行する区間だといわれているが、遮蔽物も何もない場所であるうえに、線路が回りの土地の一段上になっているため、風の影響をモロに受けたということなのだろう。JR東日本は年末年始の客足が遠のくばかりか、経営陣に至っては責任問題に発展する事態となってしまった。
今年は4月の脱線にはじまり、航空各社のトラブルが続出。そして今回の事故と陸運業、空運業の不手際があまりにも多すぎた。正月返上での原因究明はもちろんのことだが、被害者の冥福を心からお祈りしたい。

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