天才と英雄と

日本シリーズはロッテが本拠地で2連勝。ポストシーズンに限ると9戦7勝。実に勝率.778だ。このまま突き進むのか阪神の粘りに期待したいのだが...
さて、昨日21年ぶりの快挙が誕生した。ディープインパクト。7戦7勝での達成。'94年ナリタブライアン以来11年ぶり6頭目にして、無敗の三冠馬誕生の瞬間だ。競馬の本場イギリスでは'71年のNijinsky、アメリカでは'77年のSeattle Slew、そして日本では'84年のシンボリルドルフ以来となる。しかもオーナーの金子真人氏は昨年のキングカメハメハと合わせて、51,52回のシンボリ牧場以来20年ぶりに、2年連続ダービーを勝つ快挙も成し遂げている恐るべき強運の持ち主だ。(ダービー2勝以上は他に、社台ファームや谷水氏ら3人しか成し遂げていない)
今回のこのフィーバー(京都競馬場では、菊花賞開催日の入場者レコード、単勝支持率79.3%)の過熱ぶりは前回ナリタブライアンのそれとは比較にならないが、これより前に遡ると'90年の有馬記念で、今回と同じく武豊が手綱を取ったオグリキャップの引退レースくらいか。'00年にシンボリルドルフと並ぶGI7勝を達成したテイエムオペラオーですら、ここまでの盛り上がりは見せなかった。特に今回の支持率の上昇は、特殊な購買層(即ちこれは今まで競馬をしていなかった人達)が、記念馬券を購入したことによる影響と言われているが、それこそ近年売上減に悩むJRAが願ってやまなかったムーブメントだった。
筆者は競馬歴12年、20代前半の頃は約1年間乗馬クラブに籍を置いていたこともあるが、一言で言うなら競馬は”ロマン”であり、その魅力は走るのは"馬"だということに凝縮される。年間1万頭生産されるサラブレッドの中において、勝ちあがれるのはほんの一握りであり、GIレースに勝つ馬は0.1%にも満たない。運も実力のうちとも言われるが、運を切り開くのもまた実力である。
年内あと1戦と言われているため、現役最強馬ゼンノロブロイとの対決の舞台は、JCか有馬記念となる予定だが、気になるのは年度代表馬の行方。現状ではディープが圧倒的に優勢と言える。史上5頭目の2年連続年度代表馬を狙うロブロイがタイトルを獲るためには、最低上記2戦どちらかの直接対決でディープを破り、かつGI2勝以上が必要となる。ディープが勝てばもちろん文句なし。こちらも楽しみだ。

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