いたちごっこ

先月は7回と、本稿を書き出して以来最低の数字。まとまった時間がないというのが一番の理由だが、9月になったことだし気を取り直して書いてみることにする。
昨日、音楽レーベルの東芝EMIから発売されたCDに、新媒体が使用されていることにお気づきだろうか?以前、avexなどが採用したCCCD(CopyControlCD)とは異なるもので、SecureCDと呼ばれている。PC用ソフトのコピープロテクトでSecureROMというのものもあるが、それともまた違うようだ。マクロヴィジョン社のFFCD(FairFreedomCD)という技術を使用しているらしいのだが、CCCDよりも若干制限が緩和されている。CDをPCに入れると専用プレイヤーソフトが立ち上がるのは同じだが、CDの複製および転送が可能になっている(回数制限あり)。
そもそもCCCDに始まるこの不正コピー防止策というのは、元々はPC用ソフトに端を発している。音楽よりも先にネットでのダウンロード購入が普及したソフトウェアは、かつては提供媒体がFD(FloppyDisk)だったため、コピーし放題だった。その後90年代後半に入って、ようやく著作権保護(知的所有権、知的財産権等)の機運が高まり各社が力を入れるようになってきた。先日触れたiTMSもそうだが、既にネット上で配信・販売される音楽ファイルは、流通マージンがほとんどかからないため、1曲100円~200円程度だ。しかし、レーベル側としては利ざやの大きい媒体での販売に依然力を入れており、まだまだ諸外国と比べても日本の価格が高いのは周知の通りである。また元々CDの販売価格には私的録音録画補償金が含まれているが、昨今の流通形態からはデータとしての音楽にも課金すべきとの動きも出てきているようだ。
筆者もCDからMP3やWMAに変換して音楽を聴いているが、CCCDも実はリッピングできてしまう。イタチゴッコと言えばそれまでだが、結局のところモラルに頼らざるを得ないのが実情ではないだろうか。もしFFCDを手にとって見る機会があれば自分でも確認してみようと思う。

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